不動産の相続は、多くの場合、相続財産の中でも大きなウエイトを占めます。
相続する不動産の評価額を正確に把握することは、相続税の計算や財産分与の際に重要です。
ここでは、「相続する不動産の評価額を知るための3つの方法」と、その際に「留意すべき3つのポイント」について解説いたします。
ぜひ、参考になさってください。
相続する不動産の評価額とは?
相続する不動産の評価額とは、相続税の課税対象となる不動産の価値のことです。
相続する不動産の評価額は、相続税の計算や節税対策に大きく影響するのです。
相続する不動産の評価額は、一般的には国税庁が定める路線価や公示価格を基に算出されますが、実際の市場価格とは異なる場合があります。
相続する不動産の評価額を知るための3つの方法!
相続する不動産の評価額を知るためには、以下の3つの方法があります。それぞれについて解説していきます。
1.国税庁のホームページで確認する
引用元:国税庁
国税庁のホームページでは、路線価や公示価格を検索することができます。
路線価や公示価格は、毎年7月1日時点で更新されます。路線価や公示価格は、相続した不動産の評価額の目安となりますが、必ずしも正確ではありません。
・路線価とは、国税庁が定める土地の1平方メートルあたりの価格です。路線価は、都市計画法に基づく道路や河川などの公共施設に沿って設定されます。
・公示価格とは、国土交通省が定める土地や建物の1平方メートルあたりの価格です。公示価格は、都市計画法に基づく地区や地域ごとに設定されます。
国税庁のホームページで確認する方法は、手軽に相続した不動産の評価額を大まかに知りたい場合におすすめです。
2.不動産鑑定士に依頼する
引用元:日本鑑定士協会
不動産鑑定士に依頼すると、相続した不動産の評価額を正確に算出してもらえます。
不動産鑑定士は、不動産の種類や立地条件、建物の構造や設備などを考慮して、市場価格に近い評価額を算出します。
不動産鑑定士は、日本鑑定士協会や日本不動産鑑定士協会連合会などの団体に所属しています。不動産鑑定士に依頼する場合は、費用や期間などを事前に確認しておく必要があります。
・不動産鑑定士に依頼する費用は、一般的には相続した不動産の評価額の0.5%~1%程度です。ただし、不動産の種類や規模、立地条件などによって異なります。
・不動産鑑定士に依頼する期間は、一般的には2週間~1ヶ月程度です。ただし、不動産の種類や規模、立地条件などによって異なります。
不動産鑑定士に依頼する方法は、相続税の計算や節税対策をする場合におすすめです。
3.不動産会社に査定してもらう
不動産会社に査定してもらうと、相続した不動産の評価額をおおよそ知ることができます。
不動産会社は、不動産の売買や賃貸の実績やデータをもとに、査定額を算出します。不動産会社に査定してもらう場合は、複数の会社に依頼して比較することがおすすめです。
・不動産会社に査定してもらう費用は、一般的には無料です。ただし、契約や仲介の条件などを確認しておく必要があります。
・不動産会社に査定してもらう期間は、一般的には数日~1週間程度です。ただし、不動産の種類や規模、立地条件などによって異なります。
不動産会社に査定してもらう方法は、相続した不動産を売却や賃貸に出す場合におすすめです。
相続する不動産の評価額を知るための3つの注意点!
相続する不動産の評価額を知るためには、以下の注意点を押さえておく必要があります。それぞれについて解説していきます。
1.相続する時点での評価額が重要
相続する不動産の評価額は、相続発生時点でのものが基準となります。
相続発生時点とは、被相続人が亡くなった日です。相続発生時点以降に不動産の価値が変動しても、相続税の計算には影響しません。
・例えば、被相続人が2023年1月1日に亡くなった場合、その日の路線価や公示価格が相続した不動産の評価額となります。
・しかし、2023年7月1日に路線価や公示価格が更新された場合でも、相続した不動産の評価額は変わりません。
・また、2023年12月31日に相続した不動産を売却した場合でも、その売却価格は相続税の計算には関係しません。
相続する時点での評価額が重要なことを忘れずに、相続税の申告や納付を行いましょう。
2.評価額と市場価格は異なる場合がある
相続する不動産の評価額と市場価格は、必ずしも一致しない場合があります。
市場価格は、需要と供給のバランスや景気の動向などによって変動します。
評価額と市場価格の差が大きい場合は、不服申立てや減価償却などの対策を検討することができます。
・不服申立てとは、国税庁が定める路線価や公示価格に対して、実際の市場価格よりも高すぎると感じた場合に行うことができる手続きです。
・不服申立てをすると、国税庁が再度不動産の評価額を見直してくれます。
・不服申立てをする場合は、市場価格を証明する資料や根拠を提出する必要があります。
・減価償却とは、建物や設備などの不動産に対して、経年劣化や損耗などによって減少した価値を計算することです。
・減価償却をすると、不動産の評価額を下げることができます。
・減価償却をする場合は、減価償却費用や減価償却方法などを記録する必要があります。
評価額と市場価格は異なる場合があることを理解して、適切な対策を取りましょう。
3.評価額を知る目的に応じて方法を選ぶ
相続する不動産の評価額を知る目的に応じて、適切な方法を選ぶことが重要です。
前述したように、国税庁のホームページで確認する方法、不動産鑑定士に依頼する方法、不動産会社に査定してもらう方法の3つがありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
評価額を知る目的に応じて方法を選ぶことで、より効率的に相続手続きを進めることができます。
相続する不動産の評価額でよくある疑問6選
相続した不動産の評価額はどうやって調べますか?
固定資産税の評価額を確認するには、毎年春に役所から送られてくる「固定資産税の納税通知書」をチェックするのが手っ取り早い方法です。
亡くなった方のもとに届いた最新の通知書を探してみてください。そこには不動産の評価額も記載されています。
遺産相続で家の評価額はいくらですか?
建物の固定資産税評価額の相場は、通常建築費の50%から60%の範囲内に位置します。
例えば、5,000万円で建築された建物の場合、その評価額は2,500万円から3,000万円となります。
ただ、賃貸で利用される場合には、自用地の評価額から借地権や借家権、賃貸割合を差し引いた金額で評価されます。
相続税の不動産の評価時点はいつですか?
相続財産の評価は、相続が開始される時点の時価で行います。
言い換えると、故人が亡くなった日の時点での財産価値を基準で評価されます。
相続税を申告する日の時価ではなく、相続が発生する時点の価値が重要ですので、その点にご注意ください。
相続税の不動産評価額はどのように決まりますか?
不動産の相続税評価額は、通常、実際の取引価格(実勢価格)の約80%程度に設定されます。
これは、相続財産の評価が遺産の実際の価値よりも低くなる傾向があることを示しています。
相続人がその不動産を取得する場合、評価額が低ければ低いほど相続人にとって有利です。
そのため、相続人は通常、「相続税評価額をそのまま利用する」と主張します。
不動産の評価額はどうやって算出するのですか?
土地の評価額は、土地の面積に土地が面している路線の価値である路線価を乗じることで算出されます。
路線価とは、土地が面している路線の価値を示す指標であり、国税庁のホームページから路線価図を確認することができます。
相続財産の評価はどのように行われますか?
相続財産の評価は、通常、相続開始日(被相続人の死亡日)の時点での時価で行われます。
時価という言葉は幅広い解釈がありますが、実務上は相続財産や贈与財産のほとんどについて、国税庁が公表している「財産評価基本通達」と呼ばれる評価基準に従って評価されます。
不動産一括査定サイトのイエウールを実際に利用した口コミがあるので、以下に紹介する記事を参考にしていただけたらと思います。
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